彫金『たたく』

銅などの金属をたたく目的は、次の2つに分かれます。

(1)「金属の表面に模様をつける。」

(2)「金属自体を変形させる」

(1)の場合、カナヅチやタガネでたたいて、フクロウの羽や体のふわっとした模様や、木の表皮模様などを表現します。(2)の場合、平らな板をたたいて丸めたり、皿など立体的な形に変形させます。(1)はそれほど難しくありませんが、(2)の皿はそうはいきません。専用のカナヅチでたたき、形にしてゆくのですが、最初に造ったものはとても皿とは呼べないシロモノになってしまいます。

しかし、何十枚もたたくうちに手造り感あふれるきれいな皿が短時間で造れるようになってゆきます。(そのころには手に豆ができてますし、皿を押さえている左手をケガしたりしてますが!)という訳で、今回もまた手を酷使しますが、その代わり機械では出すことのできない味わいが生まれるのです。

1190249076